こんにちは。けんけんです。この数日イェップの他のスタッフが沖縄へ旅行していて楽しんでいる姿を見て、ふと沖縄が出てくる映画があったなぁと思い出しました。
吉田修一さんの『怒り』です。原作小説が出たのは2014年で、映画が公開されたのは2016年の9月17日でした。もうすぐで10年でしたね。
その頃の自分は23歳で、遊びたい盛りなので色んなことをしていました。友達と飲みへ行ったり、遊びへ行ったり、旅行などもたくさんして毎日を楽しんでました。特に仲の良い5人のグループがあって、そのうちの1人が今でも一緒にいる大地くんです。本当に長い仲だなぁと思います。
そんなこんなでそのグループで『怒り』の話題になり、当時はゲイの登場人物を大々的にフォーカスした邦画というのは珍しく、しかもプールパーティであったり、なんなら発展場まで出てくるものだからすごく注目された作品でもありました。おそらく一度観たひとも多いのではないかと。
作品自体のジャンルとしてはサスペンスで、正直自分はサスペンスが苦手で(ひとが亡くなってから物語が動き出すので)怖いもの見たさで観ることを決めたという感じでした。
それでもストーリーの重厚さ、物語の面白さから今でも好きな映画・小説と問われるとすぐ頭に浮かぶくらいお気に入りとなってます。
そして今でもずっと頭に残り続ける台詞があります。登場するゲイカップルの優馬(妻夫木聡)と直人(綾野剛)のシーンで直人が口にした、
「本当に大切なものは増えていくんじゃない、減っていくんだ」
という言葉です。
正直言って当時は全く理解できませんでした。色んなひとと知り合って遊んでいくたびに友達は増えるし、交友関係は広がるし、なんなら色々なものと触れ合うことで自分の趣味や余暇活動だって充実していくじゃん。なんで減るの? と。23歳の自分はそう思ってました。
でも物語として気に入った部分があったから数年ごとに再視聴し、その度に、その言葉が深く刺さりました。
結局人間の手って2本しか無いんですよ。掴めるものなんて本当に少ないです。体だって一つしかないから、受け止められるものも少ないです。
仕事を大事にすれば生活が疎かに。生活を大事にすれば交友関係が疎かに。交友関係を大事にすれば自分が疎かに。
全部を大事にするなんて、到底ひとの為し得ないことなんですよね。自分自身のリソースは限られてる。そのことに少しずつ気付いていったんですよね。
「本当に大切なものは増えていくんじゃない、減っていくんだ」
個人的な意見ですが、ここでの『減る』は『失う』ではないと考えてます。自分にとって本当に大切なものはなんなのか、それを絞っていく。選んでいくこと。
『ひと』、『場所』、『時間』、それらを『大切』にするというのは物でも工数でもなく、自分自身のリソースから出せる濃度なんじゃないかなって俺は思ってます。
お金を使うことも、時間を見繕うことも、労力を割くことも『大切』にする一部ではある。けれども、それらをいくら投入しようと『ひと』、『場所』、『時間』そのものに向けられる意識の濃さは代替できない。
だから『選ぶ』。だから『減っていく』。
俺は今後もこの言葉の意味を考えながら日々を過ごしていくんだろうなと思います。ちょうど優馬は32歳という設定で、物語の設定では季節は夏でした。もしかしたらいまの自分と同い年なのでは? と考えると親近感が湧きますね。
この10年では台詞の意味を『濃度』と答えを出しましたが、次の10年ではどんなふうに変わってるのか、それか変わらないのか。未来の自分が楽しみです。
ちなみに、この作品を映画館で観た時の俺の様子はどうだったのかを大地くんにきいてみるときっと面白い話がきけると思いますよ。
今回はこんなところで。またね✌️




